オーストリアのバイクブランド「KTM」が司法再建手続きを開始!
早い話が、経営難に陥っているため、裁判所の監督下で自主管理の再建を始めたのだとか。
KTMといえば、オフロードバイクで知られ、ダカール・ラリーなどで好成績を収める高性能バイクを多く輩出しています。
ユーザーにも評価が高い有名メーカーに、一体何があったのでしょうか?
そこで今回は『KTMバイクが破産理由はなぜ?今後どうなるのかも!(夜逃げ)』を詳しく見ていきたいと思います!
【この記事でわかること】
- KTMバイクが経営難に陥った理由
- KTMバイクの今後の活動
- KTMバイクの経営難に関する世間の反応
KTMバイクが破産した?経営難に陥った理由を調査!
引用元:Company – KTM AG
KTMバイクが経営難に陥った理由
誤解がないよう正確にいうと、現在、KTMは破産を避けるために司法手続きを行っている段階。
(参考資料:WEBヤングマシン|新車バイクニュース)
なので、破産してはいません。
ただ、破産してもおかしくない状況であることは確か。
そんな状況に陥った原因は、調査の結果以下の通り。
- 売上減少による販売不振
- 豪州におけるオートバイ市場の低迷
- EV需要に対応した戦略の失敗
売上減少による販売不振
KTMが倒産した一番の理由に、売り上げが低迷していた点が挙げられます。
報道によると、来年も事業を継続するためには、1億ユーロ(約160億円)の資金調達が必要とのこと。
実際に、KTMの記事を見ると、
引用元:Motorsport.com
2024年上半期の売り上げが27%も減少していた、とあります。
こうした状況で資金繰りが難しくなり、経営難に陥ったと考えられます。
豪州におけるオートバイ市場の低迷
オーストラリアのオートバイ(二輪車)市場が低迷している点も、KTMの経営不振に繋がっていると言えます。
豪州は自動車市場は安定しているものの、二輪車の方は全体的に伸び悩んでいるようですね。
業界専門誌である「世界二輪車統計年刊」の情報を見てみると、
「2024年も販売低迷続く」と記載されています。
ちなみに、イタリアやドイツでは販売が好調なので、二輪車市場全体が低迷しているわけではないということ。
世界市場と国内市場にギャップがあるのは、大きな痛手ですね。
EV需要に対応した戦略の失敗
最後に、近年最重要とされるEV(電動)化の流れにうまく乗れなかった点も、見逃せないと言えます。
KTMはEV商品を開発し、工場を中国に移すことで本格的に電動自転車の生産に力を入れていました。
(参考資料:コスト削減と節約、KTM生産の大部分は中国に移転)
ただ、電動バイクのシェアは、中国やインドの製品が多くを占めているため、KTMの製品は売れていないと予想されます。
実際に、バイク情報誌によると、EB(自走電動自転車)は中国が、EV(電動バイク)はインド市場が拡大しているとのこと。
※上記画像はホンダの株主向け「電動二輪事業説明会」で使用された資料画像
巨額の投資でEV車を開発したものの、あまり振るわないのであれば、損失は大きいと考えられます。
こうした状況も、経営不振に陥った要因のひとつと言えるのではないでしょうか。
KTMバイクの経営難で今後の進展はどうなる?
KTMの経営難に対する親会社の対応
経営難に陥ったKTMに、親会社のピエラー・モビリティは再建プロセスを開始すると発表しました。
その内容は、
- 人員削減
- 生産ラインの一時停止
- 過剰在庫を減らす
が挙げられます。
人員削減
現時点で、KTMはオーストラリアで500人程度の雇用削減を行っています。
今後、さらに300人の削減が見込まれているという情報があります。
(参考資料:motor sport)
かなりの数ですよね。
生産ラインの一時停止
ピアラー代表によると、2025年1月と2月に生産工場を停止するとのこと。
記事によると、工場は「単一シフトの運営に移行」し、「完全な生産停止」とあります。
その間、従業員は、30時間の短縮労働になりながら、給料は維持されるみたいなので、ひとまず安心だと言えます。
過剰在庫を減らす
工場を閉鎖するのは、過剰な在庫を減らすためでもあるようです。
海外の記事を見ると、
引用元:ピアーモビリティAG
「生産の規模変更により、今後2年間でKTMとそのディーラーの余剰在庫が徐々に調整されるはず」とあります。
販売不振により、売れ残った在庫を生産量を減らすことで、少しずつ消化していく方針だと考えられます。
KTMがなくなったらメンテナンスどうすの?
では、KTMのバイクを所有しているオーナーは、今後どうなるのでしょう。
ユーチューバーとして活躍されるバイク屋「二宮祥平」さんの意見によると、
- 日本のディーラー等の影響は少ないのではないか
- ただし部品の調達に時間がかかることがあるかもしれない
- 新しい商品の発売は遅れる見込み
- 余った在庫の商品は、少し安くなるのではないか
参考資料:二宮祥平ホワイトベース「KTMが破産で新車・中古車の値段が爆下がりする?!」より
YouTubeの動画内では、約3:30あたりで、上記の点に言及されています。
まだ、自社によるテコ入れなので、影響は少ないのでは、との見方のようですね。
KTMは、一番力を入れている「MotoGPプログラム」のレースには影響ないとしています。
最悪の状況はなんとか回避してほしいですね。
KTMバイクの破産騒動に関する世間の反応について
それでは、KTMの経営破綻に関する世間の感想を見てみましょう。
KTMオーナーとしては頑張って欲しい
しかも2台持ちよ!軽さと独特なデザイン
そしてエンジンが良いと思います!! https://t.co/mSAApkjIf9— ゆー (@jt6K09cLo379734) November 27, 2024
「KTMオーナーとしては頑張って欲しい」
日本のオーナーさんの応援する声が多く見受けられます。
パーツ等の流通には問題無さそうですが、MotoGPとか頑張ってただけにショックです😭
最近KTMすれ違わないなぁとは思ってましたが←— ゆなか🍊 (@yunakuso) November 28, 2024
「パーツ等の流通には問題無さそうですが、MotoGPとか頑張ってただけにショック」
パーツの流通は問題ないとする見方が強いようですね。
ピアラーモビリティが破産申請だそうでKTMは分社化?みたいな感じ。
ハスクバーナとかどうするんだろうか?
知り合いもKTM乗ってるから不安だよね。なんとしても立て直してレース等に影響ないようにしてほしい。— 峻.マークX·Ninja乗り (@Markninjaman) November 27, 2024
「なんとしても立て直してレース等に影響ないようにしてほしい」
やはり、レースで期待する声が最も多かったです。
事業を縮小してでも、なんとか建て直しを図っていただきたいと思います。
以上、口コミのご紹介でした。
まとめ
今回は『KTMバイクが破産理由はなぜ?今後どうなるのかも!(夜逃げ)』を特集いたしました。
正確には破産はしておらず、自社による再建プログラムを実施している状況であることがわかりました。
こうした状況は、アメリカ大統領選などで不安定になった世界市場の影響もあるかと思います。
工場の停止などで、日本の市場にも影響があるかと考えられますが、部品等の供給は問題ない可能性が高いです。
KTMオーナーの方も、悲観しすぎず動向を注視していきましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!